太陽光発電


太陽光発電のコスト低減の方策には、量産規模の拡大と、薄型化などのコスト低減技術の実用化がある。
欧米で行われている固定価格制では、早期に設置された設備ほど高額で電力を買い取り、後になるほど漸減させることで、急速な普及(=量産規模の拡大)を図ると同時にコスト低減圧力をかけている。
太陽光発電システムを、電力会社の送電網に繋げる形態を系統連系という。
太陽電池モジュール→パワーコンディショナー→商用電源という接続形態を取る。
発電量が設置場所での利用量を上回る分は電力会社に買い取って貰う(売電)。
また、売電電力を送電網に送ることを逆潮流と呼ぶ。
夜間や悪天候時など、発電量を利用量が上回る時は系統側からの電力供給で補う。
独立蓄電形態のような大容量の蓄電設備が不要なため、コスト・GEG排出量・ライフサイクル中の投入エネルギーが最小限で済む。
近くに送電網が来ている場合は、通常この形態で利用する。
施設の通常電源としての利用、また商用電源停電時の電源の確保・環境保護のために、災害の際の避難場所に指定されている公共またはそれに準じた施設に太陽光発電装置を設置することが行なわれている。
導入時の負荷軽減のため、各省庁による各種の補助策も実施されている。
補足:なお、日本ではエネルギー収支を「2」や「5〜9」などとする文書が一部で散見されるが、これは12〜16年以上前の見積もりに基づく値である(1995年3月の電力中央研究所の研究報告Y94009や、1991年の報告書Y90015)。
生産方式や技術水準の設定条件が古く、太陽光発電の現在の性能と整合していない[6]。
例えば上記の報告書Y90015で多結晶シリコンウエハ生産に必要な電力を設備容量1.1MW分で6250MWh(すなわち、約20MJ/W)と設定している(P.65)が、これは現在の技術による値([2]P.173など)よりも数倍大きい。
エネルギー収支(Energy payback ratio, EPR)とは、生産から廃棄までのライフサイクル中に外部から投入するエネルギーと、発電により生み出すエネルギーの比を言う。
ここで寿命20年で年産規模を10MWと於いた場合のエネルギー収支は8〜11程度となるが、日本の現在の量産規模(500MW以上、上記)に即していない。
上記の1999年頃の調査結果に於いて年産規模を100MWと置き、30年の寿命を想定した場合、多結晶シリコン型で 15〜21 、アモルファス型で 27〜30 程度と算出される。
これは海外における調査報告([5]など)、山田・小宮山らの見積もり([2])とも整合する。
発電した電力を二次電池に蓄電してその場で利用し、外部送電網に接続しない形態。
蓄電設備によって夜間や悪天候時の発電量低下時も太陽光発電にて電力を供給したい場合に利用される。
後述の系統連系に比して、蓄電設備のコスト(金銭・エネルギー・CO2排出量)が増えるため、外部からの送電コストが上回る場合や、移動式や非常用の電源システムなどに用いられる。
一般に消費電力が比較的少なく、送電網から遠い場合にメリットが大きくなる。
また送電網にごく近い場合でも、送電電圧が高い場合はやはり太陽光発電による独立電源システムが安くなることがある。
一般向けに、手の平程度の大きさの制御回路に自動車用バッテリーを組み合わせる製品なども市販されている(例)。
以下、利用例を幾つか列挙する。
太陽光発電の発電電力当たりのGHG排出量や投入エネルギー量は、システム製造工程と、設置環境において発電できる量でほぼ決まる。
メンテナンスや廃棄時に排出するGHGや投入エネルギー量も僅かである。
太陽光発電は天候によって出力が変動し、曇天時や雨天時は晴天時に比較して大幅に発電量が低下する。
また夜間は発電しない。
太陽光発電のような分散型電源に於いては、規模が大きくなり、設置場所が分散するほど速い変動成分が平滑化され、電源網側での対処が容易となる。
このことは1990年代前半から既に明らかとなっており、特別な対策をしなくても系統負荷の3割以上の容量の導入が可能とされる([8]P.261)。
過去の大規模な実証試験においても、変動は電力網側の調整余力で対応可能であり、送電網全体では送電コスト低減などによるメリットが上回ると報告されている([8],P.300など)。

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